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コラム

お譲りドレスの状態とオーナー数の関連性の難しさ

お譲りや委託販売で購入する際に購入される方側が最も重要視されている現在の傾向はおそらく、「オーナー数の少ないウエディングドレスをとにかく選ぶ」という事がポイントとして独り歩きしている様子を感じます。

 

しかし、ドレスクリーニングだけを取り扱う専門会社として多くのウエディングドレスを拝見している立場としてはその考え方はやめた方がいいのではないかと思う時があります。

 

一例として、委託販売の会社から購入されたお客様のヴェラウォンヘイリーの状態を説明しながらお話させて頂きたいと思います。

 

写真のヘイリーは 委託販売のお店で購入したものだそうですが、左上がお預かり時の状態(委託販売の店舗で購入した時の状態)、左下が当社プレス後に立体ドレスカバーにて保管していたものを取り出したもの、右のアップが当社最終仕上げ後の状態です。

 

このヘイリーはお預かり時からビスチェラインの生地にハリがなく、ペタル(花びら)もかなり折りたたまれた様に垂れ下がっている状態でした。ただ、これらの生地から生じる疲れ具合は使用頻度によって生じたものではないと思います。

 

全体をチェックしてみるとかなり小ジワも多い感じな所から察すると

 

①シルクが部分的に使用されているのに水洗いをした。

②仕上げの時にスチームを全体に使用しすぎた。

③ドレスのクリーニング方法はまあ合っているが工程管理が悪く、脱液したまま放置していた。

 

の何かが行われた為に生地が水分を含みすぎたりシワがついたままの放置で型崩れしてしまったと推測されます。

 

又、他の推察される事としてはクリーニングと真空パックを購入したドレスショップなどでお願いした時の外注クリーニング会社のお品物への取り扱い方にも原因が考えられます。どうせ真空パックをしてしまうのだから花びらの仕上げはしなくてもそのままパックしてしまえばいいという外注クリーニング会社のコストカットの為にシワのままパックしてしまったものが開封しても元に戻らなかったという事も考えられます。

 

40,000円前後で真空パック付きドレスクリーニングをお客様に案内している有名ドレスショップや結婚式場もありますが、それを引き受けている下請けクリーニング会社は真空パック付で高くて8,000円前後、クリーニングのみ料金に至っては4,000円前後で請け負っている所もあります。

 

 

この下請け料金で外注クリーニング会社が利益を得る為にはかなりのコストカット(人件費、資材費、物流費など)と大量受注を図らなければ到底採算に合いません。ブライダルクリーニングの様々な事情を知っている立場としては「有名店の案内するドレスクリーニング」「価格がショップブランド相応に高い設定のクリーニング料金」というだけでの判断には注意が必要です。

 

実は最近お預かりするウエディングドレスの何着かは明らかに不適切なクリーニング方法によって生地の状態がおかしくなっているものがあります。水分や仕上げ不足が原因による生地の変化を完全に戻す事は完全には難しいとご理解下さい。

 

それぞれのドレスに相応しいクリーニング方法が出来ていればサードオーナー様以降でも状態のいいものを手に入れる事は可能です。オーナー数に惑わされず、どの様にメンテナンスされてきたかが上質のお譲りドレスを手に入れるポイントです。

 

セカンドかサードオーナーのドレスで、状態があまり良好ではないがここで購入の機会を逃したらもう手に入らないという事で30万円前後の購入をされるのであれば、いっそのこと新品を購入して利用されてからは技術の高い専門のドレスクリーニングを行う事で半額プラスα位で次の方もご満足頂ける状態のドレスをお譲りしていく様な考え方もあると思います。

 

よくご相談がありますので、参考までに適切なクリーニングが施された状態のいいヘイリーのポイントとしては…いや、ここは敢えて「不適切なクリーニングが施されたヘイリーを見つける」ポイントは

①シルクオーガンジー部分がぶくついたりごわついた感じになっている(ビスチェ部分、スカート下2枚目のシルクオーガンジー)

②ペタル(花びら)が一枚で何か所も折れ曲がって下に垂れ下がっていて、隣に縫い付けられているペタル間の隙間が離れて見える

③切りっぱなしの部分のささくれ状態が1センチ以上ある場所が何ヶ所もある(少しのささくれ状態は生地の裁断の方法上やむを得ない範疇です)。

 

写真のドレスは当社が使用している特殊仕上げ剤を使いながら一枚ずつスチームを使わずに仕上げていったものですが、時間が経つとやはりややボリュームが減った感じになります。ご利用前に手でペタルの根元の捻れを直したり、重なっている順番を整えるなどしてご自分でも利用前に対処して頂く必要があります。

 

かなり手の込んだ方法で花びらプレスは対応させて頂いておりますが、お預かり段階の状態によって改善率に差があります事だけはご了承下さい。

 

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