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ヴェラウォン「オデール」のドレスクリーニングと不溶性の汚れについて
岐阜県のお客様よりヴェラウォンオデールのドレスクリーニングを承りました。
オデールは厚手のシルクシフォンが優しく纏われたマーメイドラインという印象で、ヴェラウォンのウエディングドレスの中ではかなりシンプルエレガントを極限まで磨き込んだデザインの様に感じます。
今回お預かりしたお客様のウエディングドレスは、地面が濡れていた場所でのガーデンウエディングだったのでしょうか、裾全体に茶色の泥汚れが広く染み込んだ状態になっていました。
当社ではシルクの生地は通常は様々なリスクがある為に水洗いを行いませんが、今回は水洗いに近い方法と漬け込み漂白などを特別なプレス技術を駆使していった事によって一見では分からない状態まで仕上げる事が出来ました。
不溶性の代表格である泥汚れにつきましては、土の質と繊維の種類との相性によって除去率が大きく変わります。ポリエステルオーガンジー素材ならまず問題なく染み付いた泥汚れも除去出来ますが、シルクやレース刺繍に浸透した場合は泥染めの様に生地自体が染色された様になる場合がある為に完全に除去出来ない場合が生じます。
ビーチ撮影などよりも岩場などの鉄分を多く含んだ赤土系の所で湿った汚れを吸着した時はかなり厄介なシミとなりますので、屋外撮影の時はアテンドの方に裾まわりを持ってもらうなどの自衛策を講じる事をお勧めします。
特に海外撮影は特にこうしたケアまで気が回らない傾向がある様です。大切なドレスが本番当日に最高の状態で出来ます様、前撮りやロケ撮からドレスの裾まわりの状態に意識を置く様にして頂ければなによりですヽ(´▽`)/