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VERAWANGオクタヴィア クリーニングと色素について
ホワイトのイメージが強いオクタヴィアですが、ヘイリーペタルピンクやDianaピンクの様にこのドレスにもレアなピンクバージョンがあります。
ピンクオクタヴィアはガーリーエレガントなイメージがホワイトオクタヴィアより強い印象を感じますが、そのオールラウンドなビジュアルは他のピンクバージョンのヴェラウォンドレスの中でも抜群の適応性を持ったドレスともいえます。
個性あふれる青みがかった絶妙なヴェラウォンピンクは青色の配合次第で色が変化しやすい特性を持ちます。
色の3原色である赤、緑、青のうち、世間一般的に退色しやすいものが実は青の色素です。
ヘイリーのペタルピンクの色合いが使用回数などによってなんとなく違う感じがするのは、ヴェラウォンピンクから自然退色によって青い色素が弱くなってくる事から生じる不可抗力的な原因にあります。
この様にシルクなどの天然素材はそうした退色のリスクはやや高くなりますのが、オクタヴィアは表面を覆う生地がチュール主体でナイロンやポリエステル系などの為、天然繊維よりも退色リスクは低くなります。それはオクタヴィアならではの特性です。
今回お預かりした2着のオクタヴィアは、クリーニングに於いてこうした色や生地の持つリスク、デザインが持つリスクを十分把握した上で方法を間違えるとどの様なリスクが生じるかを十分事前に検討と確認をしながら丁寧に作業をさせて頂きました。